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2022.01.05

Bankers長田会長に聞く、Bankers1年目の振り返りと2年目への抱負

  • Bankers の職人達

2020年12月1日に融資型クラウドファンディング事業を開始した当社は、おかげさまで1周年を迎える事となりました。

コロナ禍の真っ只中で、人々のライフスタイル、働き方、ビジネス環境が変化していく中、バンカーズが2年目どのように成長してゆくのか、当社会長にインタビューをしました。

 

開業1年目を迎えての感慨をお聞かせください

一昨年大手町のビルの一室で澁谷社長とバンカーズの構想の議論を始めて2年、二種免許を取得し昨年の開業からはや1年。本当にアッという間だったという感想です。良いこと、悪いこと、いろんな事象が次々発生してハラハラドキドキの連続でしたが、澁谷社長を中心に全役職員が心を一つにして、何よりも「お客様のために、我が国経済社会のために」「新しい金融機関を創造しよう」という熱い思いを胸に取り組んだことで、お客様の支持もいただき、総じて順調に業容を拡大していけていると感じています。

 

Bankers1年目の総括をお願いします

ー当初予想通りだったところはどんなところですか?

まずはゼロから立ち上げた会社なのでコスト面では既存の金融機関よりもはるかに低コストで運営できている点です。

私はメガバンクで国内リテール営業のトップとして経営に携わっていましたが、その時の最大の悩みは、数百店舗・数万人の従業員・スタッフの固定費の重さでした。その固定費を賄うために苦労したのですが、バンカーズにはそのようなレガシーコストがない。

その分お客様にしっかりと報いていくことができるようになります。だからこれからも悪いレガシーができないように、組織もシンプルに、ルールもシンプルにして行きたいですね。

 

次にビジネスモデルに対する手応えです。バンカーズのビジネスモデルは、資金調達をしたい人と、資金を運用したい人を結びつけるという意味では、証券業的な直接金融と、銀行業的な貸付業のハイブリット型です。

そのそれぞれの良さを融合し、かつテクノロジーを活用して低コストで両者をP2Pのように近づけることを目指してきました。

融資先の発掘や審査など、仲介者である我々がしっかりした商品を組成して投資家にお届けする、一方で資金需要者には必要な資金の調達をサポートする

銀行の場合は、預金で集めて銀行が運用する。証券会社の場合は、一社一社の資金調達に個別に対応する。バンカーズはまさにそのハイブリット型と言えますが、1年経って振り返ると当初構想していたハイブリット型に近づいてきているなと思っています。

 

ー逆に予想外だったことはどんなところですか?

何より、同業の会社で重大な出来事が発生して、「ソーシャルレンディング事業」に対する世間一般の信頼感・信用が下がり、見る目が非常に厳しくなったことは想定外でした。

しかしながら、バンカーズの理念や強みは、このような逆風にも揺らぐことはなく、むしろ進むべき方向に手応えを感じているくらいです。

 

私たちが創業時から重視しているのは透明性です。我々の持っている情報はできる限りオープンにしてお客様に選んでもらう。しつこいほど情報開示しています。

この1年、徹底的にお客様の望んだ情報を追求して開示していくという姿勢を貫いてきましたが、これらを愚直に行動で示すことで、「バンカーズは一味違う、信頼できる」という声を聞けるようになりました。

「人生万事塞翁が馬」「ピンチはチャンス」です。とにかく愚直に誠実に事業を展開することでお客様の信用、満足度をより高めて行きたいです。

2年目以降への抱負をお聞かせください

「お客様のために、我が国経済社会のために」「新しい金融機関を創造しよう」という我々の理念の実現に向けて愚直に誠実に取り組んでいくことにつきます。

融資型クラウドファンディング/ソーシャルレンディング事業の業容拡大、黒字化を最優先に取り組みます。

それに加えて来年は、ブロックチェーン分野、あるいはAI等の金融技術やIT技術を取り入れた金融グループとして業務範囲の拡大にも取り組みたい。さらに、グローバルな事業機会も探っていきます。「新しい金融機関を創造」するための更なる飛躍の年にしたいと思っています。

 

融資型クラウドファンディング/ソーシャルレンディング業界の今後の見通しや可能性についてお聞かせください。

融資型クラウドファンディング/ソーシャルレンディングだけでもまだまだ出来る事・対象事業範囲は無限に近くあると感じています。我々の強みは何より証券銀行アセットマネジメント・不動産、あらゆる分野の第一線で活躍した多様性あるプロ人材の集団であることです。それらの知見とネットワークを活用して、さらにお客様各層のニーズに合致した商品サービスを提供して行きたいと思います。

 

長田会長についてお聞かせください

ー長田さんのモットーを教えてください。

私のこれまでの社会人経験の中で、3つの事を念頭に取り組んできました。

 

1.「仕事にスピード違反はない」:巧遅よりも拙速

銀行員時代からのモットーですが、詰めが甘くても良いので情報はどんどん上げて、社内の情報共有は徹底するということですね。その点では多少スピード違反くらいで考えていったほうがいいと考えています。

 

2.絶対成功する秘訣:「成功するまでやり続けること」

新しいことをはじめると様々な困難や課題にぶつかり挫折しそうになるが、一つ一つクリアし続けてやめなければ、必ず目標に到達できると信じて物事に取り組む事を大切にしています。

 

3.中国人べンチャー経営者の言葉:「PDCA→Do&Do&Do&Do」

PDCAの四つの要素は均等ではなく、Doが1番大事ですね。Doが90%ぐらい。

もちろんDoだけではダメで、Doから学んで次に生かすのですから、当然次のDoはより改善されている訳ですね。

 

ここで挙げた3つのモットーには共通項があります。

それはスピードです。上司に報告する、お客さまに届ける、間違ったら直す、それをやり続ける、ということです。

 

そしてこれら3つを総括する根底には、渋沢栄一の言葉があてはまります。

  夢なき者は理想なし。

  理想なき者は信念なし。

  信念なき者は計面なし。

  計画なき者は実行なし。

  実行なき者は成果なし。

  成果なき者は幸福なし。

  ゆえに幸福を求むる者は夢なかるべからず。

 

単に儲けるとか成功したいっていうのではなく、夢や理想や理念がないと何も成し遂げられないということです。夢が理想、理想が信念、信念が計画、計画が実行へとつながる訳です。夢を持ち、その夢に向かって行動する、やってみるということが大事だと思っています。

 

さまざまなスタートアップの顧問や役員をされていますが、どのような思いで関わっていらっしゃいますか?

メガバンクでの40歳代の一番働き盛りの時期に証券会社の出向をしてIPO部長を3年ほど勤めました。ちょうどマザーズができてITベンチャーがもてはやされた時でした。

商業銀行から来た私には、直接金融(エクイティビジネス)の活気・華やかさに目を奪われましたが、光と同時に影の部分もたくさん見ました。

その時以来、コンプライアンスを大前提としつつ、証券と銀行のビジネスを、最新のIT技術等をフルに活用し、ハイブリッド化した新しいビジネスモデルを模索できないか考え続けてきました。

バンカーズの試みはその一つの回答です。一方で、現在個人で十数社に出資し、社外役員や顧間をして各分野のチャレンジングなべンチャーの成長をサポートしています。

日本のベンチャーは、制度面の未整備もあり、情熱はあってもヒト・モノ・カネなどの経営資源が足りないと感じます。そこで我々経験豊富なおじさんの知見やネットワークを駆使して、元気のある若い企業を少しでも多く育てたいと思っています。

バンカーズグループでもバンカーズインベストメント社でVCとしてベンチャー企業の成長を支援しています。

 

ーその中でも、バンカーとして「バンカーズ」に託す思いは?

BANKとはイタリア語のBANCO(両替屋の長机)を由来とする説と、BANK(川の土手堤防)を由来とする説がありますが、個人的には川の土手堤防としてのBANKに惹かれる。

お金の流れを無秩序な自然の流れに任せるのではなく、国民経済の発展に寄与するような適正な方向に導くこと、これこそがBANKであり、BANKERの勤めであると思っています。

実は、そういう思いをBANKERSという社名に込めているのです。

 

大手金融機関の経験を生かし、新しい金融機関を創造する思いとは

金融仲介業者である金融機関は一般的に、情報の非対称性を使ってビジネスをしているところがあります。

バンカーズはそれとは逆に透明性を重視し、顧客に徹底的に情報を公開するビジネスモデルを追求しています。ある意味で、それまでの金融機関のあり方をアウフヘーベン(編集長注:古い仕組みを発展的に継承して新しい仕組みにしていくこと。ヘーゲルの言葉)したいと思っているのです。

バンカーズには大手金融機関出身の専門性の高い経営陣やスタッフがいますが、彼らも同様に、既存の金融機関ではできなかったことを、バンカーズで実現したいという夢を持って参画した仲間たちなのです。

金融は産業の血液であり、その流れをよくすることによって社会や経済の発展や個人の幸せに寄与していくのが金融機関の役目です。

そして、これまでの金融機関ではお金が十分に巡ってないところをバンカーズが担い、日本の経済社会の発展やお客様をはじめとするステークホルダーに報いていきたいと考えています。

 

これからもバンカーズを宜しくお願い致します。

【インタビュアー:BankersNote編集長】

長田 忠千代

BHD代表取締役会長及びグループ各社会長

(株)三菱銀行(現: 三菱UFJ銀行)にて金融キャリアをスタート。2010年 常務執行役員、2014年 代表取締役専務。ベンチャー企業はじめ法人・個人のMUFG顧客部門業務育成に注力。ベンチャー企業育成をライフワークとする。マルタスインベストメント(株)代表取締役を経て、当社事業成長と金融機関グループのガバナンス確立をリードする。